特別療法食について

近年のペットフードの目覚しい品質の向上、とりわけ特別療法食(処方食)と呼ばれる科学的理論とエビデンスに裏打ちされた病気治療の一端を担う食事の普及はペット達の健康増進と長寿化に多大な貢献をもたらしています。
一方で飼い主様の中には処方食は医薬品ではなく食事という概念を払拭できないからか、獣医師不在のペットショップやインターネット通販で購入されるケースも増えているように思えます。

しかしこれら処方食は特定の疾病治療を目的としているため健康維持食(一般のペットフード)に比べ栄養組成が大変偏っており、ご自身の判断だけで漫然と長期的に使用されることは好ましくありません。
病気の進行度にあわせ当然フードの再検討が必要なことがあります。また処方食による治療効果には限界があるため、医薬品との併用が必要となることもあります。

治療開始時の食事療法が効を奏しているからといって処方食を過信しすぎてはいませんか。
処方食を与ている安心感から病気の進行や併発疾患に気づくのが遅れることのないよう定期的に動物病院を受診しペットの病状把握をしながら、獣医師の指示と管理の元に使用されることが処方食の正しい使い方であると考えます。

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