ワクチンで予防できる犬の病気

伝染性が強く治療の困難な犬の伝染病の中にはワクチンで予防可能な病気も数多くあります。
以下の病気はすべて継続的なワクチン接種で発症を防ぐことができます。



犬ジステンパー

空気感染などによってうつる伝染力が強く死亡率の高い病気です。全身が冒され、発熱や下痢、呼吸器症状、神経症状が見られます。回復後もけいれんなど重度の後遺症が
悩まされることも多いです。潜伏期間が
3週間と長いため、流行時にワクチン接種をしても、予防が間に合わないこともあります。


犬アデノウイルス
型感染症犬伝染性肝炎

空気感染などによってうつる病気です。肺炎や扁桃腺炎など呼吸器

病を起こします。犬同士の接触、屋外の土壌などからうつる病気です。肝臓が冒され、嘔吐や下痢などを起こします。急性では
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36時間で死亡することもあり、子犬では突然死することもあります。目が白く濁る(ブルーアイ)こともあります。


犬パルボウイルス感染

感染症の中でも伝染性が強く、発生の多さと死亡率も高さでとても問題となる病気です。嘔吐や悪臭を伴う下痢、トマトケチャップ様の血便が突然に見られ、急激な脱水と衰弱を招きます(腸炎型)。子犬では心筋が冒され突然死をもたらすこともあります(心筋炎型)。


犬パラインフルエンザ

ケンネルコフと呼ばれる犬のカゼ症候群の原因の1つです。感染力が強く、他の病原微生物と混合感染して激しい咳と荒い呼吸が何週間も続き、死亡率はそれほど高くありませんが犬と飼い主にとってとても大きなストレスとなります。

犬アデノウイルス2型感染症犬伝染性喉頭気管炎

ケンネルコフと呼ばれる犬のカゼ症候群の原因の1つです。咳、鼻汁といった呼吸器症状を示しますが、多くの場合他の病原微生物と混合感染して気管支肺炎など重篤な症状をしめしたりや回復までに数週間も要することがあります。


犬コロナウイルス感染症

犬同士の接触などにより感染し、嘔吐、下痢、脱水など腸炎を引き起こす感染力の強い伝染病です。犬パルボウイルスと混合感染することによりいっそう症状が重くなり、死亡率が高まります。パルボウイルスと一緒に予防することが大切です。


犬レプトスピラ病

感染した動物の尿中に排出される細菌によって、接触や土壌、水などから感染します。他の多くの動物や人にも感染する人獣共通感染症(ズーノーシス)です。黄疸出血型は嘔吐や血便などの急性症状と黄疸を、カニコーラ型は慢性的な腎障害を発症します。アウトドアで活動する犬ほど感染の危険が高まります。


狂犬病

もっとも重要な人獣共通感染症で、狂犬病予防法により年1回のワクチン接種が義務付けられています。同時に飼い主は市町村へ犬の登録をして、犬には鑑札をつけなければなりません。

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