マイクロチップについて

マイクロチップは動物の個体識別のための電子標識器具で、皮下に埋め込むことにより使用します。

マイクロチップ自体は直径約2mm、全長10mm前後で円筒形をしており表面は生体適合ガラスで覆われています。
チップには15桁の唯一の固体識別番号が記録されていて、ISOによって規格化されています。
ただ中の固体識別番号の読み取りには専用の読み取り器(リーダー)が必要となります。
耐用年数は25年~30年とされているためその動物の生涯にわたって使用することが可能です。
動物の安全で確実な身元証明として、世界中で広く使用されています。
マイクロチップの埋め込みは通常犬で2週齢、猫で4週齢から可能ですが、それぞれの状況で獣医師が決定しています。
またデータベースの管理は動物ID普及推進会議(AIPO)が管理しています。

マイクロチップ装着の意義
近年では室内飼育がペットの飼育形態の中心になっているため、飼い主様とその家族しか彼らの固体識別が出来ない状況が特別なことではありません。
ペットへマイクロチップを装着しておくことにより所有者が確実にわかるため、逃走や迷子、盗難、さらには不慮の事故に見舞われ保護された場合などに身元確認が出来き、飼い主様の元に戻ってくる可能性が高まります。
また地震などの災害発生時の身元確認においても大変に役立ちます。
さらには捨て犬や捨て猫の減少にも貢献します。
現在多くの県や市の動物愛護センターで収容動物に対しマイクロチップによる身元確認を行うようになりました。
さいたま市動物愛護ふれあいセンターでもすべての収容動物に対し行なっております。
狂犬病への対策として犬猫を連れて(再)入国する予定のある場合、狂犬病予防法により彼らへのマイクロチップの装着が義務付けられており、これは旅行等での短期の出入国であっても適応されます。(2004年の狂犬病予防法の輸入検疫制度改正による)

またトラやワニ、サルなどの特定生物や特定外来生物ではそれぞれ動愛法、外来生物法によってマイクロチップなどによる固体識別処置が義務付けられています。

マイクロチップ挿入の実際
犬猫では通常無麻酔で行なうことが出来ます。
埋め込み部位は背側頚部が一般的です。
埋め込み後に獣医師とともにリーダーで固体識別番号の読み取りが可能であることを確認してください。

埋め込み時期はいつでも可能ですが、子犬、子猫では飼育開始時期に合わせて8週齢もしくは12週齢のワクチン接種時に、また成犬・成猫では去勢、不妊手術時であれば麻酔下で行うこともできます。
一度体内に埋め込むと脱落したり消失することはほとんどなく、データが書き換えられることもありません。
これまで故障や外部の衝撃による破損の報告はありません。

現在AIPOに登録できる内容
埋め込んだ日時
飼い主情報:飼い主の名前・郵便番号・住所・電話番号・ファックス番号・緊急連絡先・E-mail

動物情報:動物名前・生年月日・性別・動物の種類・種類コード・毛色コード
IDナンバー
獣医師情報

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