『備える』ということの大切さについて

島国という特性と環境整備および国民の公衆衛生意識の卓越性から多くの病気を克服してきた私たち日本の国民は、いまや諸外国に比べ細菌、ウイルスなど感染の脅威に対し有り難いというべきか少し鈍感となってはいないでしょうか。

しかし近年、急速なグローバル化による世界交流の高まりにより、国内では久しく発生を見なかった細菌やウイルスの再上陸や、ワクチンや抗生物質などの発達により一時期は制圧できたものの、何らかの原因で再度私たちに脅威を与え始めている伝染病(再興感染症)、さらには国内には存在せず認識されていなかった病原体の侵入(新興感染症)が目立つようになり、このことが専門家の間で注目され始めています。

皆さんもニュースでご存知の口蹄疫問題も、その感染経路は明らかにされておりませんが、海外渡航者あるいは来日者が持ち込んだ可能性も否定できません。
もしかしたらたった1人の人間の靴の裏についていた口蹄疫ウイルスが宮崎の牛に感染の機会を与え、今回の宮崎牛に壊滅的被害をもたらしたのかも知れません。

SARSやBSE、ウエストナイル熱も決して過ぎ去った話ではありません。
新型インフルエンザも叱りです。

犬に毎年ワクチン接種が義務づけられている狂犬病など近年日本では発生を見ない、あるいは私たちの身近で見聞きすることの少なくなった多くの細菌、ウイルス感染症も突然身近な問題として私たちの身に襲いかかり、大切なペットたちの命を奪うやも知れません。
しかるに大切なペットたちの命ひいては皆さんご自身の健康を守るためには、ワクチン・予防薬などで発症を防ぐことが可能な感染症は常に備えを万全にしておくことがなによりも大切なのです(ズーノーシス)。

昔からのことわざ通り「備えあれば憂いなし」ですよ。

 

ワクチン・予防薬で予防できる感染症
ズーノーシス(人獣共通感染症) 狂犬病、レプトスピラ症、犬フィラリア症
犬特有の感染症 犬ジステンパー、犬パルボウイルス感染症、犬パラインフルエンザ、犬アデノウイルスⅠ型感染症・Ⅱ型感染症、コロナウイルス感染症
猫特有の感染症 猫伝染性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症、猫クラミジア症、猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)、猫白血病ウイルス感染症
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