今年も日本杉を皮切りに花粉症のシーズンが到来しました。

今年も日本杉を皮切りに花粉症のシーズンが到来しました。
二月に入り街ではすでに鼻炎などの症状が出始めている方を見かけます。

当院でもここへ来て急に痒みを訴える犬が増えております。
そうです、犬の花粉症はくしゃみや鼻水、流涙といった呼吸器の症状は出にくく、むしろ皮膚の痒みや赤み、脱毛といったアレルギー性皮膚炎の症状が主体となります。花粉は皮膚から侵入し、犬に皮膚炎症状を引き起こすのです。

皆様の愛犬が毎年同じ時期に同じような皮膚症状を示すようでしたら、花粉症かも知れません。
ご自分のペットが花粉症体質であることがわかったら、シーズンの到来前、まだ症状が本格化する前から防衛策を講じて、少しでも快適な生活を送らせてあげたいものです。

今回は症状の悪化を抑え、あるいは発症予防に繋がるポイントをいくつかご紹介したいと思います。

花粉症の最良にして最大の予防策はもちろん皮膚と花粉との接触を避けることです。

まずは外出時には愛犬にコートを着用させてはいかがでしょうか。花粉を通しにくい化学繊維で出来た、もし手に入ればフードがついていて、なおかつ四肢を覆えるよう袖や裾まであるもの・・・・可能な限り全身を覆うことができるデザインがいいでしょう。

また花粉の飛散は早朝が多いので、朝の散歩は控え、草むらや林、公園など植物の多いエリアでの散歩は避けます。

外から帰ったら花粉を室内に持ち込まないよう、外でしっかり花粉を落とします。
このとき濡れタオルよりも不織布(市販の使い捨て埃取り用ワイプ)を使って全身を拭くのが効果的です。また飼い主様ご自身も外で花粉を払うことをお忘れなく。

室内では空気清浄機を使用しできる限り花粉を取り除きます。

床掃除はこまめにしてください。屋内に進入した花粉は時間の経過と共に床に落ちます。特に室内が静まる夜の間に花粉は床に積もります。1日の大半を床の上で過ごす犬は家族の誰よりも花粉と接触してしまいます。

皮膚炎の悪化予防にはシャンプー浴をお勧めします。
週2回を目安に行えるといいですね。シャンプー浴は物理的に花粉を落とすことはもちろん、皮膚アレルギー用の薬用シャンプー剤を使用すれば皮膚症状の改善と共に、皮膚のバリア機能を高めることができます。
シャンプー剤は皮膚の状態にあったものを適切に使用することで、外用薬に匹敵する効果が得られますが、合わないものを使用すれば更なる悪化を見ることもありますので、注意が必要です。

アレルギー検査をお受けになることでご自分の愛犬がどのような植物に過敏なのかを知っておくことができ、植物との直接の接触を避けることができます。

とはいえ日常生活の中で風に舞い環境中に飛散している花粉から身を守ることは犬でなくてもとても難しいことです。

症状の重い犬では、掻き毟ることでの皮膚炎の悪化と共に、イライラしたり攻撃的になるなど精神的にも不安定な状態に陥ります。このような場合にはステロイド剤などの抗アレルギー薬を使用することも必要です。

また最近では抗ヒスタミン剤などの予防的服用が試みられています。またこのような薬は犬が花粉に触れ症状が出る前から服用することが重要です。

ご家族の皆様にとりましても愛犬が痒みのため全身を掻き毟る姿を見ることはとても耐え難いものです。

いずれにしても花粉症対策に唯一最高の方法はなく、複数の方法を組み合わせることで、症状を軽減させます。

同様に薬の服用も作用の異なる薬を組み合わせて使用したり、最小有効量を見極めることでステロイド剤の使用を軽減できます。

詳細はかかり付けの動物病院でご相談いただくのがいいでしょう。

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